駄文ボツ文いろんなものがごたまぜの小ネタボックス。
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以前日記の方にちょろっと書いた銀時と10歳くらいの仔桂その1。
昔のように、つややかなその髪を一つに結い上げてやる。
そしてしげしげと眺めてみて思う。
こんなに可愛かったのか、こいつは。
当時はあまり意識したことなかったけど、丸く大きくこぼれるようなその黒い瞳と、それを縁取る長い睫毛、ぷっくりとした口唇、みずみずしく透き通る頬。日本人形のような艶髪。
現在にも面影を残すそれらは、未熟で幼く、なのにどこか、人の欲を誘うようなところがある。
(そういえば、なんかよく危ないおっさんに声をかけられていたような・・・)
桂が怪しい人に連れて行かれそうになるのを高杉と2人がかりで阻止していたことを思い出し、銀時はむずがゆいような気持ちに襲われた。
(ったく、昔からコイツは・・・)
人を疑うことを知らない、バカで生真面目でやっぱりバカで、そして誰よりも真っ直ぐなその気性。
自分達がこの歳の頃、まさかこんな未来が待っているなんて、一体誰が考えただろう。
いろんないろんな出来事を経て、いろんないろんな想いを経て、それでも今ここに、こうして一緒にいることの奇跡。
銀時が思いを馳せていると、ふいに髪をぐいと掴まれた。
「いでででで!何すんだこのガキャ!」
「ぎんとき!きさままたそうやってぼうっとしおって!そんなことではりっぱな侍にはなれんぞ!」
「いーんだよ銀さんはもうすでに立派な侍ですから!特に夜なんてすげえんだぞ、オメ」
言った後で子供相手に何を言ってんだと思いつつ、銀時はその小さな身体をぎゅうと抱きしめた。
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