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下と同じく銀時と10歳仔桂、その2。





「銀ちゃーん!見るアルよ、私の力作ネ!」

「げ!何だその頭。何やってんだヅラ!」

「づらじゃないかつらだ!リーダーのりきさくだぞ、なにをいう」

髪を愛らしく結い上げられ、神楽と同じような髪飾りを付けた桂。耳元にはご丁寧に花が挿してある。

「ヅラは何しても似合うネ。明日はおさげにするヨロシ!」

「りょうかいした、リーダー」

妹ができたようで嬉しいのだろう、ここ数日神楽は嬉々とした様子で桂をいじくりまわしていた。桂も桂で、毎日真面目な顔で真剣にいじくりまわされている。

「了解してんじゃねーよ・・・あったま痛ぇ」

そのまま街に放り出したら間違いなく誘拐されそうな感じだなと内心思いつつ、銀時は呆れたと言わんばかりに額に手をやった。大きくため息をついたところで、突然腕の裾をぐいと引っ張られる。

「ぎんとき、リーダーのりきさくだ。ちゃんとみんかばかもの!」

裾をぎゅっと掴み、大きな瞳でしっかと見上げる桂。口調は説教くさいくせに舌足らずであり、幼い頬は少し上気していて、なんというかつまり、めったくそ可愛い。

(クソ・・・反則だぜコノヤロー)

自分の胸に生まれたもぞもぞとする気持ちを振り払おうと、

「バカはオメーだ、このバカ!」

いつもの調子で頭をパシと張り倒す。だが幼い身体には予想以上の衝撃だったようで、大きな瞳にみるみる涙が溜まった。

「ぎんとき、が、なぐった・・・」

ぎゅうと眉を寄せ、可愛い口元を引き絞って涙を堪えようとする。その様子に慌てたのは銀時だ。

「わ、わ、泣くな!俺が悪かった!」

「あーあ、銀ちゃんがヅラを泣かせたネ。酷い男アル」

「人聞きの悪いこと言うんじゃねぇ!おいヅラ、泣くなってばホラ!」

あたふたと抱きかかえ、なだめるように身体を揺らす。

「な、悪かったってば、オイ」

叩いたところを撫で、背中を何度もさすってやる。だが潤んだ瞳からは今にも涙がこぼれそうだ。

「ホラあれだ、痛いの痛いの、飛んでけー!」

やけっぱちになって叫ぶと、

「・・・なんだそれは。こどもあつかいするな」

舌足らずな声で抗議が上がる。そのバカにしたような口調に、銀時は慌てた自分を瞬時に恥じた。

ああもう、反則だ、コノヤロー!

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